なんたってメモだから

ネタをめもる場所のはずが愚痴の吐き出し場所と化す。

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逃げ惑え。せめて、俺を楽しませろ。
※少しグロいです。苦手な方はご注意を。



 自分は剣を持っている。

 まず解ったのは、そんな状況。
 薄暗い空の街並みに、ポツンと一人佇んでいる。
 意識は、はっきりしない。どうしてこんな所にいるのだろう。俺は何をしていたんだろう。そんな当たり前の考えすら思いつかない。
 俺は視線を動かした。建物のドアや窓。真っ直ぐ続く坂道の先。移動できそうな所や、隠れられそうな所をしきりに探している。何故そんな事をしているかも解らない。ただ、自分の中のもう一人の誰かが俺を操っているかのように、俺は視線を街中に這わす。そんな異様な感覚が生まれているのにも関わらず、俺はその行為に抵抗を行わない。
 俺は立ち尽くしたまま、ただ剣を握り締める。
 灰色の雲が覆う空から、僅かだが光が差し込んできた。朝のようで、何か合図でもあったかのように、家の中から人が現れ、家影の曲がり角から人が歩いてくるのが目につく。続々と現れた人達は、剣を持ったまま佇む俺に訝しげな視線を向けながら、遠巻きに歩いていく。
 ふと、腕が動いた。
 俺の意思ではないはずだ。俺はただ彼らを眺め、鬱陶しいな、と思っていただけで、それ以外は何も考えられない。頭が働かなかった。
 まるで剣が意思を持ったかのように、俺の手中にある剣は一番近くにいた中年の男を斬りつけた。男の悲鳴と同時に、傷口から血が噴出し、それはべっとりと俺の顔についた。男はしばらくのた打ち回ったが、少ししたら動かなくなった。
 けれども俺にとっての問題はそこではなかった。
 男を斬った瞬間の、快感。
 ふわりと身体が軽くなったような感覚。
――なんだ、これは?
 それをもう一度確かめたくて、俺は腰を抜かして震えている女を斬った。
 ぞくり、と、背筋を何かが這うような感覚。
 命を奪うのが悪い事だと解っていたはずなに、そんな事等どうでも良くなるような感覚。
 俺の口の両端が、自然と釣りあがった。
 逃げ惑う者達を目で追う。
 その量の多さに、また釣りあがる唇。
 獲物ならこんなにもいる。

 さぁ、どれから殺そうか。


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| 13:33 | 夢物語 | comments(0) | trackbacks(0) |
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